本当に必要な「反社チェック」とは何か ―現代の反社会的勢力の実情と、フロント企業という“名もなき悪”― - 企業信用調査の総合探偵社 テイタン

 

 

反社会的勢力の現状

どこまでが反社なのか?

データベース調査の限界

フロント企業という”名もなき悪”への対策

 

 

反社会的勢力の現状

お笑い芸人による闇営業が明らかとなった「吉本問題」 、反社会的勢力と疑われる人物の参加可能性が指摘された「桜を見る会」、山口組ナンバー2 と目される高山清司の出所など、2019 年は反社会的勢力に関する話題が、世間を大きく騒がせたことと思います。

ニュース報道でも、ヤクザ同士の抗争とみられる銃撃事件が報道されるなど、人々が市民生活を営んでいく上で大きな恐怖を感じるような事件が発生するなどしました。

しかしながら、『私たちの実生活における“反社会的勢力”とは一体何か』と問われると、とたんに現実味がなくなってしまうような気がします。 それもそのはずで、暴力団構成員の推移は、いわゆる暴対法(暴力団対策法)が施行された1992 年から減少傾向にあり、同法施行前には全国に約 9 万人いたとされる暴力団員(準構成員を含む)も、現在では約 3 万人、純粋な構成員では 1 万 5 千人ほどになっているとされています。

出典『暴力団情勢と対策 | 全国暴力追放運動推進センター』

 

 

しかし、この数字上の減少は、必ずしも「反社会的勢力」の縮小を意味するものではありません。

「暴力団員」の数、それ自体はたしかに減少してはいるものの、そのかわりに“暴力団に該当しない秘匿性の高い反社”が

きわめて多くなってきている、というのが実情となっています。

 

それではこの「暴力団に該当しない秘匿性の高い反社」とは一体何なのか?
それを以下で見ていきたいと思います。

 

 

どこまでが反社なのか?

反社会的勢力とは一体何か?
この問いは極めて重要な問いであるにもかかわらず、同時に、具体的な回答が非常に困難な問いともなっています。

桜を見る会の問題をめぐる記者会見で、菅官房長官が記者から“具体的な反社の定義”を問われた折に「…(定義は)一義的に定まっているわけではない」と答えたことからもわかるとおり、政府としても反社会的勢力に対する明確な基準を定めることができずにいるのが現状であると窺われます。

 

それもそのはずで、前述したように現代の反社会的勢力は、準構成員や密接交際者をはじめとし、“暴力団に所属せずに犯罪行為を繰り返す集団”を指す、いわゆる「半グレ」や、オレオレ詐欺・架空請求詐欺などを主な収入源とする、通称「特殊詐欺集団」 、社会運動を仮装し、又は標榜して、不正な利益を求めて暴力的不法行為などを行う「政治運動標ぼうゴロ」など、データベース上には登場しない“秘匿性の高い反社”が極めて多様化するに至っています。

 

このような「特定困難な反社」が世の中にはびこっている現状を踏まえて、現代における「本当に必要な反社チェック」とは一体何なのか?
それを今一度考え直さなければならないフェーズに、すでに入ってきているのではないでしょうか。 

 

 

データベース調査の限界

取引契約時に相手先の調査を行う際、データベースを参照した調査を行う企業も多いかと思います。
しかし、データベース調査は、それ自体、有用なものには違いありませんが、それでもやはり使用に際しての様々な留意点が存在することも、また事実となっています。

 

 

あるメガバンクの取り組みでは、AML(オートマネーロンダリング)システムにおける膨大なロジックによりシステム的に抽出された端緒情報(異常値)と、現場行員から寄せられた「疑わしい」との端緒情報の「精度」を比較すると、後者の方が圧倒的に高いということでした。
(※「マネー・ロンダリング反社会的勢力対策ガイドブック 白井真人/芳賀恒人/渡邉雅之【著】」より、一部抜粋)

 

 

メガバンクが採用する膨大なロジックシステムよりも、現場行員が抱いている「“疑わしい”」という「感覚値」の方が、より有用な領域がたしかに存在するのです。
これは現在の反社データベース調査の現状にも当てはまる事柄であり「データベース偏重が現場の思考停止を生む」ということを大きなリスクとして捉えるべきである、という認識が政府・警察組織の共通の見解であり、それは一般社会にも広まりつつあります。

 

 

また、データベースはその性質上、程度の差こそあれ「過去の情報」のみをしか蓄積することができず、それは当然のことながら次々と出現しては消えていく「フロント企業」への対応策としては有効性を欠く、ということが実情となっています。
仮に警察組織がもつデータベースで照会を行ったとしても、指定暴力団として登録されている組織の者や、過去に反社関連で明確に名前が挙がった者たちを除いては、データベースにヒットしないのです。

 

 

この現状を打破するためには一体どうすればいいのか?
その答えはおそらく、現時点では一つしかないように思われます。

 

 

 

政府指針基準の調査 フロント企業という”名もなき悪”への対策

上記でも述べた通り、現代の反社会的勢力は非常に多様化しており、それ故に極めて高い秘匿性を有するに至っています。
その大きな理由の一つは、彼らに「“名前がない”」ということです。

 

「半グレ」・「 特殊詐欺集団」・「 政治運動標ぼうゴロ」など、現代の多様化している反社は、正式に暴力団に所属していないが故に、データベース上に登場しない、すなわち「“名前がない”」という、極めて特定のむずかしい属性を有しています。

そして企業間取引における、この「“名もなき悪”」の最たるものこそが、いわゆる「フロント企業」という反社会的勢力ではないでしょうか。

 

実際に、昨今の企業間トラブルの実情としても、この「フロント企業」との意図しない契約が非常に大きな問題となっています。
この現状を鑑みて、政府・警察は企業間取引の際の「反社チェック」の厳格化を強く要求しており、いくつかの必須項目を定めています。それは要約すると以下のような内容となります。

 

①いかなる調査項目において

②いかなる調査方法で

③いかなる判定方法により

反社チェックを行ったか、それを明確に説明できなければならない。

 

 

上記の条件を満たせなければ有事の際(万が一、反社会的勢力と契約してしまった際)の、しかるべき説明責任を果たすことができないとされています。 現状では誠に残念なことではありますが、警察組織の調査力をもってしても「100%の反社チェックは不可能」であるとされています。
しかし、だからこそ政府・警察は上記 3 項目の条件を満たした「しかるべき説明責任」を果たすための反社チェックを強く推奨しています。
要するに『データベース照会を行った“だけ”では正式な反社チェックをしたことにはならない』のです。

 

しかし、今現在ではこの認識が社会に十分に浸透しているとは言い難い状況です。
自分自身では正当な手続きで反社チェックを行っていたつもりでいたのに、実際にはそうではなかった、ということも往々にして起こりえます。

 

 

この現状を踏まえて、テイタンでは公知情報を含めた自社データベースチェックに加えて、上記①②③項目の全てを満たした「政府指針基準の反社チェック(平成 19 年 6 月に制定された『企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針』に基づいた、反社会的勢力調査)」をご用意しております。

 

フロント企業をはじめとする秘匿性の高い『名もなき悪』への有効な対抗策は、

 

①過去情報である「データベース照会」

        +

②現在情報である「都度調査」 の 2 段構成が必須であるといえます。

 

テクノロジーは進歩し、反社データベース構築もまた、その恩恵を大きく受けていることに間違いはないものの、それでもやはり『魔法』は存在しないのです。

移ろいゆく現実と同じように、出現しては消えていく「フロント企業」に対しては、「今現在」という時間軸に対するアプローチが必ずや必要となります。 そして、その絶え間ない調査の繰り返しから得た「傾向と対策」によって、未来を守っていかなければなりません。

 

株式会社テイタンでは「過去」と「現在」、そして「未来」をカバーする 『“政府指針基準”の反社会的勢力調査』を、ご提供いたします。

 

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