デジタルとアナログの調査会社が語る、いま知っておくべきデジタル証拠の調査・収集方法とは?

 

 

パソコンや携帯・カーナビなど、否応無しにデジタル技術に囲まれた現代社会。

企業の社内不正対策、弁護士様における従来の一般民事・家事・刑事事件の証拠収集など、様々なケースにおいて「デジタル証拠」の収集や取扱いに対する必要性が高まってきています。もはや問題に対して最善の解決をするには、これらデジタル証拠の知識が必要不可欠と言えるでしょう。

 

これらの背景から、2019年7月10日東京、7月26日大阪にて、弁護士ドットコム×ネットエージェント×テイタン共催

弁護士様向けセミナー「-案件獲得と最善の事件解決のために- デジタル証拠の調査・収集方法を知る」を開催いたしました。

 

 

デジタルとアナログの調査会社が語る、いま知っておくべきデジタル証拠の調査・収集方法とは?

デジタル調査会社への依頼傾向

案件ごとの調査すべき観点と見るべきポイント

デジタル調査で出来ること、アナログ調査で出来ること

 

 

デジタル調査会社への依頼傾向

1部では、IT関連のトラブル・調査の専門家であるネットエージェント株式会社のコンサルタント村田氏より、弁護士業務に関連して、どのようなデジタル証拠のニーズが存在しているのか、また、それらはどのように調査・収集が可能となるのかを解説されました。

 

村田氏によると、ネットエージェントに寄せられる依頼について、以前は、面識もない人物からのウイルス感染やサーバーの書き換え・乗っ取りなどに対する「サイバー攻撃調査」の依頼が多かったのに対し、最近は「不正調査」の依頼が多いそうです

 

不正調査とは、社員や取引相手、家族、友人などの利害関係のある人物によって行われます。

サイバー攻撃のように特殊な技術を使ったものではなく、一般人が一般的に利用するような方法によって行われることが特徴です。この場合にはネットワークはあくまで道具であり、本質ではないことが多いと村田氏は説明しました。

 

不正調査の依頼が多くなり、問い合わせ数が逆転したのは2018年度。これには、一般人の生活に”デジタル”がかなり入り込んできていることが考えられます。こういった背景から、今まで一般的に行われてきた不正行為のなかでも”デジタル”が利用されるケースが増えてきたのではないかと村田氏は言います。

 

ネットエージェントに寄せられる依頼のうち、企業からの依頼として多いのが、「労務関係調査」「情報持ち出し調査」だそうです。

労務関係調査は、主に勤務時間中の行動にまつわる調査になります。具体的な相談例としては、残業代の未払い請求をされているが、長時間勤務が必要な仕事指示は出していなかった、実体を調べてほしい。といったものです。

情報持ち出し調査は情報漏洩の調査になります。これは退職した社員が絡むことが多く、顧客情報や企業機密情報が漏れているが社員や元社員が関わっていないか確認してほしい。といったものです。

 

個人からの相談例としては、やはり不貞行為の調査依頼が多いと言います。配偶者を調べてほしい、といったものから、依頼主自身が盗聴や、情報を抜き取られているような気がするので調べてほしいといったパターンのものもあるそうです。

 

案件ごとの調査すべき観点と見るべきポイント

調査では、案件ごとに確認すべき観点があり、それによって同じ場所を調査しても見るべきポイントが違います。

 

村田氏によれば、例えば、顧客情報や機密情報が漏れているといった情報持ち出しにまつわる調査で、痕跡(証拠)の可能性を探る際には、①どんな情報にアクセスしたか?②どのように外部に持ち出したか?

という2点の観点から調査を行います。

 

こういった観点でみた場合、図のようなデジタル機器の場所に、証拠が残っている可能性があると村田氏は言います。

 

どんな情報にアクセスしたか、という観点では、プログラム起動履歴、インターネット閲覧履歴、ファイルサーバーへのアクセス履歴などから調査を行います。情報が置いてあった場所にも痕跡が残っていることがあり、例えば共有サーバーにあったのなら、そこにいつアクセスしたのかを確認します。

 

また、どのように外部に持ち出したか、という観点では、メールの送受信履歴やUSBなどの接続履歴、さらに、プリントアウトしてその紙を持ち出すというケースもあるため、複合機の印刷履歴などを調査することも有効です。

加えて、近年はクラウドサービスを利用することも多いため、インターネットの履歴から、そのファイルをインターネット上にアップロードしたのかどうか、Webメールやファイル転送サービスなどにアクセスした形跡があるかどうかを調べることも重要です。

 

その他には、プログラムの起動履歴があります。ファイルを外に持ち出すときは、いくつもあるファイルをひとつにまとめて外に出すことが多く見受けられます。そのため、圧縮ファイルやアーカイブファイルをつくるためのツールが動いていなかったかどうかを調査することも有効であると村田氏は解説します。

 

労務関係調査では、上記と同様に、該当時間に活動していたか?何をしていたか?業務以外の利用がないか?といった観点から、業務用PCやスマートフォン、サーバーネットワーク機器の調査を行います。

 

不貞行為の調査であれば、どのような交友があるか?どこに行っていたか?などといった観点からスマートフォン、カーナビ、クラウドサービス、公共交通のICカードなどの調査を行います。

 

このように、案件ごとにどういった情報が必要なのか、といった観点から、その情報が残っているデジタル機器などの調査を行っていきます。

 

ただし、「何が」証拠として有効なのか、それは調査会社だけで判断するのは難しいと、村田氏は言います。調査会社は法律の専門家ではありません。ですので、証拠として揃えておかなければならない項目は何か?に答えを持っていません。

 

また、調査の合法性の問題もあります。ご依頼された内容が、必ずしも合法とは限りません。こういったことから、弁護士のみなさまともっと協力していきたい、と村田氏は語りました。

 

 

デジタル調査で出来ること、アナログ調査で出来ること。

セミナー第2部では、ネットエージェント、テイタンの2社で『アナログ調査 ×デジタル調査』で証拠の調査や収集がどこまで可能か、実例をもとにディスカッションを行いました。 

 

デジタル、アナログ両方の調査が必要になってくる時代だと両社は言います。

 

例えば、社内不正に関することとして、リベートを受け取っている疑いがあったとします。しかしそのリベートは、金銭である場合もあれば、飲食である場合もあります。こういった「いま起きていること」を調査したい場合は、アナログで実際に現場を確認することが有効です。

逆に、残業時間に何をしていたか知りたい、などの「過去」の調査になった場合、アナログよりも履歴やログをたどれるデジタルでの調査に強みがあると言います。

 

デジタルなデータの痕跡は情報として重要となりますが、その情報を残した人物が、今何をしているのか、はアナログに情報を追わなければわかりません。

このように、案件によっては、両調査にバトンタッチをするタイミングがある場合があります。

デジタルとアナログを組み合わせることで、より深い調査ができるようになり、よりよい解決に近づくこともある、と両社は言いました。

 

 

問題がおきたら

実際に事案が起きたときには注意が必要です。まずデジタル調査であれば、調査対象機器にはできるだけ触らない、ということ。デジタル機器で証拠となる履歴は操作を行えば行うだけ痕跡が消えていってしまいます。後から調査を行う可能性があるのであれば、保全だけでもおこなうことを推奨いたします。

 

また、落ち着いて行動することも重要です。デジタル・アナログ両調査にいえますが、被疑者に疑っていることを悟られてしまうと隠滅工作をされてしまう可能性があります。こうなってしまうと、後からの調査が困難になる可能性も出てきてしまうのです。

 

ネットエージェント、テイタンともに相談は基本的に無料となっております。

なにか困りごとがあったら、まずは素早いプロへの相談をオススメいたします。

 

 

テイタンでは、ご依頼内容に合わせて、デジタルとアナログ両方の調査を組み合わせた、最適な調査を提案させていただきます。

調査に関してのお問合せはこちらからお願いいたします。

 

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