その社員のSNS投稿、大丈夫ですか? 特定班と呼ばれる人々と炎上のメカニズム - 企業信用調査の総合探偵社 テイタン

 

近年、バカッターやバイトテロといった言葉をよく耳にするようになりました。
これらは、SNS利用者が投稿を通して自らの犯罪、詐欺、その他の反社会的行動を世間に曝け出す行為のことです。
このような行為を行う人材を雇用した場合、企業へのリスクはどうなるでしょうか。また、リスクマネジメントにはどのような方法があるでしょうか。

今回は実際の事例を参考に、これらの課題について解説します。

社員の投稿がSNS上で炎上!企業リスク事例

些細な情報でも特定される!特定班とは

ネットリテラシーとその重要性

未然に防ぐ!レピュテーションリスク対策

終わりに

 

 

社員の投稿がSNS上で炎上!企業リスク事例

・某大手不動産会社の子会社の事例

「仕事で某有名女優と某有名俳優夫婦を接客した」「35万の物件を紹介した」などと、不動産勤務の女性社員が、自身のTwitterアカウントでツイートした。この件で、女性社員が勤務していた会社とその親会社謝罪。女性社員は紹介した物件の内容を芸能人の名前とともにツイートしており、たちまち炎上。批判とともに、女性社員の個人情報が次々ネット上にさらされる事態になった。

 

・某大手金融会社の事例

Twitterで「●●(大手芸能事務所アイドルグループ)の▲▲▲▲(氏名)さん ○○銀行▽▽支店ご来店」というツイートが流れた。しかもツイートには来店の理由まで記載されていた。

ツイートをした女性は、この銀行に勤めている母親の娘だった。母親は家庭内で、芸能人の来店があったことを娘に話した。これを娘がSNSに書き込んでしまった、という経緯だ。娘はこれより前にも、来店した俳優の「免許証顔写真のコピーをとってきた笑」などとして、その俳優の本名をSNSに書きこんでいた。コピー自体は母親がとったものである。該当支店と銀行本社は、後に謝罪文を掲載した。

 

些細な情報でも特定される!特定班とは

特定班と呼ばれる、SNSなどで発信される情報をもとに個人を特定する人物がいます。特定班は、SNSに掲載されている僅かな個人情報や写真をもとに、その人物の住所や本名、さらには勤務先や学校まであっという間に特定してしまいます。

また、彼らは問題を起こした本人のみならず、その会社や店舗の情報まで詳細に暴き出します。

こうして、SNS上の書き込みは世間にさらされ、大きな問題となり炎上してしまうのです。

 

彼らは、悪を暴こうという正義感で行動する人、それだけでなく意図的に事を大きくしようとする人や、特定の人物を吊るし上げようとする人、仲間内で競い合って快楽のために個人情報を特定し、拡散させてしまう人など、様々な人がいます。

バカッターやバイトテロといったものが世間に認知され、メディアなどに大きく取り上げられた背景には、こうした特定班の存在も大きく関与しています。

 

まず問題のある内容がSNSに投稿されると、ユーザーにより拡散されます。

そして、それを見つけた特定班などが個人情報を特定し、その個人情報をまた拡散。すると善意の人々が、問題投稿をした人物の学校や会社に通報。学校や会社は対外的な謝罪を求められ、ニュースなどで世間に公表されていきます。

こんなケースもめずらしくありません。

 

一度さらされてしまった情報は元には戻りません。 こうしたレピュテーションリスクはどんどん拡大し、最終的には経営の危機に陥ってしまうことさえあるのです。

 

ネットリテラシーとその重要性

こうしたリスクを回避するためにはネットリテラシーを一人ひとりが持つということが非常に重要です。

ネットリテラシーとは、インターネット上のトラブルを回避しながら正しく利用する能力のことで、この能力が高い人物は、リスクを生む可能性が低いといえます。

 

例えば、「自分の名前や住所、顔写真をネットに上げない」というのは、すでに多くの人が認知していることかもしれません。しかし、それだけで本当に対策はできているのでしょうか。

 

今やたった一枚の何気ない写真によって、住所や名前、生活リズムまでも特定できてしまいます。

写真だけではありません。最寄り駅や行きつけのお店に関する投稿、方言や用語から地域が特定されてしまうことも。

今や若い世代にとって、SNSは生活の一部となっており、十分な知識や危険性について理解しないまま使いこなすことだけに特化してしまっています。

正しい情報を理解し、匿名性や機密性のみを鵜呑みにせず、しっかりとした知識と教養を身に着けていくことが重要です。

 

 

未然に防ぐ!レピュテーションリスク対策

 

それでは、こうしたレピュテーションリスクに対してどういった対策が出来るのでしょうか。

 

個々のSNSをモニタリング

手間のかかる作業ではありますが、自力で各個人のSNSをモニタリングする方法です。名前や特定の情報を入力し、個人のアカウントを見つけます。もしくは自社の名前や情報で検索をかけることにより、自社に関する投稿をしているアカウントを見つけます。

 

調査会社に依頼

既存社員や、退職者、求職者の採用時に調査会社にSNSチェックを依頼します。上記の方法だけではつかめなかった情報も、調査会社に依頼すればより詳しく確かな情報が得られます。十分な対策を行いたい場合は、検討してみるのもいいかもしれません。

 

ネットリテラシーを育む教育

社内で研修や勉強会などを開き、SNSに潜むリスクや使用の際の注意点について指導します。十分に学んだ後、社員同士で意見交換を行うことでお互いのSNS利用への認識について理解することができます。

 

社内にガイドラインを策定

全社員共通のSNS利用に関するガイドラインを策定します。ただしガイドラインには法律が絡むこともあるので、策定の際には注意が必要です。

 

SNSリスクマネジメント検定の受講

従業員や学生のSNS利用によるリスクを防ぐ目的で作られた検定プログラムがあります。ここでは基礎知識やトラブルの対応方法について学び、講座受講後に試験を受け合否を判定します。

 

終わりに

SNSは誰もが気軽に利用できるサービスであり、そのリスクは業種を問わず発生します。

一度社員が書き込んだ、社内に関する情報が炎上してしまうと、企業やブランドのイメージを損ない、大きな経済的損失に繋がる危険性もあります。

 

しかし、SNSはここ十数年で急激に普及したサービスであり、今も新しいサービスがどんどん増え続けています。SNSにまつわるリスクは、企業に潜むリスクのなかでも、対策が十分に出来ていると言える企業はほとんど存在しないのが現状でしょう。

たとえ社内でできる対策を行ったとしてもそれで十分とはいえませんし、また、増え続けるSNSサービスに対して、新たに対策をしつづけることは大きな負担となります。事前の対策が不可欠なネットリスクは、アウトソーシングによって社内負担を軽減しつつ、より確実なリスクヘッジを行うことが重要なのかもしれません。

 

ソーシャルメディアが普及し、ネットリスクの危険性がかつてないほど高まっているいま、ネットリスク対策について真剣に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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