増えるエグゼクティブ採用と求められるリスクマネジメント

 

エグゼクティブ採用が増えるわけ

求められる採用でのリスクヘッジ

エグゼクティブ人材の調査依頼事例

バックグラウンドチェックというリスクマネジメント

 

エグゼクティブ採用が増えるわけ

役員や経営幹部の人事が企業の成長戦略において非常に重要であるということは言うまでもありませんが、その役員や経営幹部の人事において、最近では社外から採用を行う、いわゆるエグゼクティブ採用が増えてきています。

 

エグゼクティブ採用が増えてきているのにはいくつか理由があります。その理由と1つとして、世襲型や年功序列型の経営スタイルが時代とともに変わってきたことがあげられます。 今まで創業家のオーナー一族による同族経営などによって世襲型であった企業では、少子高齢化問題にも伴い、親族内で後継を志望する人がいない、そもそも跡継ぎになる人がいないなど、事業継承の問題を抱えることも多くなってきています。

 

また、年功序列型の経営スタイルでは、今まで生え抜きの社員が長く在籍し、社内政治を勝ち抜いて役員の座に就くという内部昇進の慣習から脱却する流れがあります。2019年5月7日の定例記者会見において経団連の中西会長が「終身雇用を前提に企業経営を考えるのは限界」と話しましたが、終身雇用・年功序列が崩壊していくと同時に、ますます経験や専門性を兼ね備えた中高年の転職市場は広がっていくでしょう。

 

近年、「プロ経営者」という言葉がよく聞かれるようになりました。(プロ経営者とは複数の企業と経営者として渡り歩く人物を指す造語)この言葉に表されるように、今後より一層、社内の慣習やしがらみにとらわれない経営やマネジメントが求められ、今までのように社内の内輪だけで人事が完結する時代ではなくなっていくと考えられます。

 

さらに昨今騒がれているコーポレートガバナンスも年功序列による役員登用の流れが変わっている要因の1つです。社長や役員を選ぶ上での意思決定のプロセスにおいても透明性が求められるようになってきており、以前のように社長や役員の私心で次の役員を選ぶという形は変化しつつあります。例として、最近では「指名委員会等設置会社」という形式を用いて、社外取締役が過半数を占める指名委員会に次の代表取締役、取締役の選任を主導させるような動きがあります。欧米では、投資家向けに経営の透明性を示せるということから指名委員会のような仕組みは一般的なものとなっており、日本でも徐々にではありますが広まりつつあります。

 

求められる採用でのリスクヘッジ

このような理由から経営幹部や役員などのエグゼクティブ採用は増加しているうえ、さらに採用における社内外への透明性・客観性も求められてきています。

しかし増加するエグゼクティブ採用に対して、エグゼクティブ採用のリスクヘッジが本当にできている企業は少ないのではないでしょうか?

 

役員などのエグゼクティブ採用をした場合、何か問題があれば大変なレピュテーションリスクにもなりかねます。経営者や役員候補者の能力を見極める事は大事ですが、その他にも申告された経歴や実績に詐称がないか、犯罪歴がないか、トラブルを起こしたことはないか、トラブルに巻き込まれていないかを採用前に確認するリスクマネジメントも、採用プロセスにおいて重要になります。

 

 

エグゼクティブ人材の調査依頼事例

実際、候補者について何もチェックを行わず幹部クラスの人物を採用した後、採用後に問題が発覚し、当社に調査を依頼いただいたケースがありました。

 

調査対象となった幹部クラスの人物は、海外での就業経験があり、日本に帰国後は数百人いる会社のマネージャーとして勤務していたという実績を買われ、依頼元の企業へ幹部クラスとして採用されました。しかし、入社後の仕事ぶりが経歴とマッチせず使えない、申告の経歴が怪しい気がする、ということで社内で問題になってしまい、当社にて調査を行うこととなりました。

 

調査は各種公開情報やデータベースの照会、WEB上の情報を収集するデータ調査、各関係者へ聞き取りといったヒアリング調査を行い、さらに対象者の前職の会社があるとされる住所など関係あると考えられる場所へ実際赴いての現地調査も行われました。調査の結果、前職の会社は、登記はあるものの営業状態の確認できない企業であり、対象者が応募時に申告した職務経歴内容との相違が確認されました。結果、幹部クラスとして採用された対象者は話し合いの上退職することとなり、それまで進められていたプロジェクトは見直しを余儀なくされたそうです。

 

 

バックグラウンドチェックというリスクマネジメント

このような問題が明るみになった場合、それが経営に近い人物であればあるほど様々な面で経営的ダメージは大きくなります。採用を決定した経営陣への信用の損失、そして実質的にエグゼクティブの採用までにかかった費用、採用後に支払う給与なども高額になり、金銭的損失も少なくありません。

 

アメリカにおいて、採用における候補者の調査(バックグラウンドチェック)は一般的に行われていますが、日本においては一部外資系を除いてまだまだ一般的であるとは言えません。アメリカでは、採用する人物が問題のない人物かどうかを確認することは企業の義務と考えられており、95%の企業が何らかのかたちで採用前にバックグランドチェックをするというデータも出ています。グローバルな視点でみると、採用候補者の採用前のチェック(調査)は、企業のリスクマネジメントとして必要なプロセスと言えるでしょう。

 

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一般採用だけでなくエグゼクティブ採用であってももちろん同様、むしろそれ以上に採用の決定は慎重になるべきであるのは間違いないでしょう。候補者のきらびやかな経験を鵜呑みにせず、裏付けを確認することはとても重要です。自社を担っていく人物の雇用の際には、実績や経験の確認はもちろん、基本的なリスクチェックも必ず行っておくことをおすすめいたします。

 

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